発達障害児の就学先決定までの流れ
2018-03-19 更新
はじめに
発達障害の子供を持つ親にとって、子供の就学先をどこにするかはとても大切な問題です。子供が自分らしく生活でき、かつ可能性を最大限に伸ばすためにも、候補となる就学先の教育方法をしっかりと見極める必要があります。ここでは、発達障害の子供たちの就学先を決定するまでの流れを、詳しく説明して行きます。細かなスケジュールは自治体によって異なりますので、各市町村の教育委員会へお問い合わせ下さい。
就学相談への申込〜初回面談
子供にとってベストな選択はどれか、どのような環境で子供を学ばせるのが良いかなど、発達障害の子供の就学先について悩みを抱えている親は少なくありません。子供の将来を左右する大切な問題ですから、自分たちだけで決めるのではなく、専門家のアドバイスも聞いて判断するようにしましょう。
市区町村の教育委員会では、子供の進路について相談できる「就学相談」というものがあります。一般学校の普通学級か、特別支援学級か、もしくは特別支援学校か、どこへ入学するのがベストであるかを、さまざまな視点から一緒に考えてくれます。
各市区町村によって細かな流れは異なりますが、一般的には6月頃に就学相談の申込を行い、後日、就学相談専門員による面談を受けることになります。面談では就学先についての希望や、子供の発達状態、不安なことなどについてヒアリングが行われ、担当の相談員が発達状況を把握するために、子供と遊んだり話したりします。
医学相談と合同面談
子供の発達について医師の診断などを受けていない場合には、各自治体の嘱託医(しょくたくい)による「医学相談」を受けます。診察や面談を行った上で、医学的な見地から子供の発達状況についての詳しい説明を受けます。ここで初めて発達障害だと診断されることも少なくないようです。
また、就学相談を受けた子供たちを4?5人程度のグループに分け、遊びなどを通して子供の様子を見る「合同面接」が行われます(1時間程度)。この際、保護者は別室で待機し、親のいない環境での子供を観察します。
見学・体験入学〜就学先決定まで
就学相談、医学相談、合同面談の結果と、幼稚園や保育園での子供の様子がまとめられた「就学指導に関する調査書」をもとに、その子供にとって最も良い就学先について「就学支援委員会」で検討が重ねられます。就学支援委員会の判断結果やその経緯などについては、後日、就学相談専門員から保護者へ詳しい説明が行われます。
その後、特別支援学級や特別支援学校への体験入学や見学を経て、就学先を具体的に決めていきます。就学支援委員会の決定はあくまでも専門的立場からのアドバイスであって、最終的な決定をするのは保護者です。保護者はこれらのアドバイスをもとに、子供にとってベストな就学先を決めることになります。
無理に普通学級に通わせて、授業や学校生活についていけなくなると、子供の成長に支障をきたすことになります。また、普通学級に通えるくらい発達しているにも関わらず、支援学級に通うことも問題です。いずれにせよ、子供の発達状況を正確に見極め、適した学校、学級を選ぶことが大切です。
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