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発達障害と脳①〜脳機能の障害とは?

2018-03-19 更新

発達障害と脳①〜脳機能の障害とは?

はじめに
自閉症やアスペルガー、学習障害など、比較的低年齢で症状が出始める行動、社会適応における障害を総称し「発達障害」と呼びます。脳機能に障害があることが原因と言われており、独り言が多かったり、独自の言葉(宇宙語)を使ったり、健常者とはやや異なる行動特性を示します。 障害を持つ子供と暮らしていくためには、彼らのことを正しく理解することが大切です。発達障害者と健常者の脳にはどのような違いがあるのか、それぞれ比較しながら見てみましょう。

発達障害と脳①〜脳機能の障害とは?

人の脳は大きく3つの層からなる

私たちの脳は、「脳幹」、「大脳辺縁系」、「大脳新皮質」の3つの層からできています。それぞれの働きは以下の通りです。

・脳幹
脳の最下層にあり、呼吸やまばたき、鼓動をはじめとした、生きるために不可欠な動作を司ります。脳幹による「原始反射」は、人間が生まれながらにして備えている体の機能。赤ちゃんの手のひらに指を添えるとぎゅっと握り返してくることなどが、これによる無意識の反応です。
・大脳辺縁系
脳幹に覆いかぶさっている二番目の階層です。食欲、睡眠欲、喜怒哀楽などの感情や、人間本来の欲求の根源となる部分です。
・大脳新皮質
脳の一番外側の層であり、人の脳の8割以上を占める重要な部分です。中でも「前頭連合野(前頭前野)」は、思考や判断を担当する部分。大脳新皮質が活発に動いていると、他の層の働きは抑制されます。

脳は、成長とともに発達します。例えば、産まれたばかりの赤ちゃんは、自分で身体を上手に動かすことができません。成長につれ脳が発達してくることで、身体のコントロールを覚えます。身体を自分の思い通りに動かすことができるようになり、言葉で自分を表現するようになるというわけです。

不適応行動の改善には大脳新皮質の発達を促すこと

上記のように、不適応行動は大脳新皮質の発達不足が一因です。大脳新皮質の働きをよくすれば、脳幹や大脳辺縁系を抑制することができ、言動をコントロールできると考えられます。本能的な行動が目立たなくなり、正常な思考にそった判断や発言につながるはずです。
独り言や多動をはじめとする周囲を悩ませる行動が目立たなくなると、トラブルを抱えることが少なくなります。人と関わる喜びや楽しさを知ることは、障害を持つ子供にとって大切なことですし、大きな自信になります。将来的には、就労のチャンスにつながる可能性もあるでしょう。

発達障害の子供との会話が思うように進まないこともあるでしょう。一朝一夕には改善できませんので、的を射たアプローチを行い、広い心で気長に成長を見守っていくことが大切です。

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